Web屋とSI屋論


id:naoya さんのエントリ、似たようなことをやってるけど実は違うことをやってる人たちを読んで、まず心和んだ。 id:naoya さんの思考の時間感覚が心地よい。


さて、本題。このエントリは、梅田さんのWeb進化論パネルディスカッションでの、時代の変化のスピードの予想についての議論(梅田さんは10-20年、その他のパネリストはもっと早く起こる)を、「文化の違い」「産業構造にも大きな違い」「二つの文化はまったく違った方向を指向していく。そしてその両者はなかなか理解しあえない。」という表現で、SI屋とWeb屋、メディア屋とネットを対置させて理解しようとされている。この辺の議論についてこの半年ぐらいずっと考えていたことを思い出しました。


実は、僕、SI屋なんです。


Web屋さん、というか、はてなをうらやましく思うSI屋なんです。理由はまた別の機会に。


そして、僕、デマンドドリブンとか、Consumer Powerとか言われるものが、世の中をつき動かすエンジンだと概念的に理解しています。簡単に言うと、リソースを消費する人が、結果として世の中をつき動かす、みたいな、イメージです。


最近、ネットって、低コストでデマンドについて勉強できる、一つの場所となってきてますよね。例えば、多くの人が、独り言を含めてネットに吐き出している。


このデマンドの持ち主を知らずして、ビジネスを語っちゃいかん、と思うのです。


んで、SI屋のお客さんって、長らくSupplier Dominatedな考えの企業が多数派なんです。この潮流で重要なのはSupplier側。だから、Supplierが保有している情報やリソースをがちゃがちゃ料理することがミッションだと思っている。顧客囲い込みとかして、顧客すらもSupplier側が「保有」したつもりになっちゃうんですよね。ブランドスティッキネスとか言われているやつ。


けどね、SI屋が企業の繁栄を支援するとしたら、デマンドの持ち主のことを、Supplierに教えてあげること、これを忘れちゃいかんと思うのですよ。


デマンドの持ち主がネットに住んでいるのなら、ネットにいってよく勉強しなきゃいけない。


僕にとってのWeb屋さんの代表、はてなは、ネットでのデマンドの大切さを天然で知っているように思える。その姿勢、つめの垢をいただきたいぐらいです。


デマンドの持ち主の住処が、ネットじゃなければ、ネットはネット。それだけの話。


けどネットの住人が増えてきた。


Googleはキーワード広告の形で、デマンドの持ち主のことをSupplierに教えることに成功した。そうみてます。

Web屋さんすべてがデマンドの持ち主の近くにいようとしているとは思いませんが、デマンドの持ち主のそばにいるための技術が、Javaよりは、アジャイルだとかRuby on railsだとかなんだろうな、ということだと思いますです。


僕にとってはそういう技術とか、SI屋とかWeb屋とかいう敷居よりもまず、Consumer dominatedなのかSupplier dominatedなのかという世界観の問題のほうが、大切な気がしているのです。僕は後者を大切にした企業・個人がだんだん少数派になっていくと思ってます。デマンドの持ち主のことをSI屋さんが無視してSupplierをちやほやするだけなのだとしたら、SI屋の将来はどうなるんでしょうかね、とも思いますし。


蛇足:
こんなこと書きちらかしていて、梅田さんの言う、日本語を磨くことの大切さを思い知らされた次第です。